【インタビュー】大西さんの3つの通訳観/神戸通訳ツアー/社内通訳者として働く大西亮平さん(2/3)

こちらの記事は、【インタビュー】神戸通訳ツアー/社内通訳者として働く大西亮平さん(1/3)の続きです。

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大西さんへのインタビュー第2回目は、神戸通訳ツアーと阪神淡路大震災についてお聞きしました。

普段通訳をするにあたっての3つのポイント。

通訳者をなりたい方は必見です。

いやいや、通訳者までは考えていないよ、という方でも、Cotoba PRESSをご覧になられている方は、言葉に対して興味がある方だと思うのできっと役に立つ話です。

インタビュー

☑神戸通訳ツアーと阪神淡路大震災

神戸のツアーをするときには、阪神淡路大震災は切っても切れない出来事だと思います。体験者として後世の人たち、外国の人たちにどのように伝えていきたいですか?

阪神大震災のパートは、これまでの神戸通訳ツアーで毎回、大きく取り上げてきたところです。それは私が被災者であることもありますし、ツアー参加者においても私より若い世代の方に震災のことを少しでも知っていただきたいと思うからです。
ツアーの通訳者においては、準備段階で既にかなりの情報に触れることになります。震災の時刻、犠牲者数、被害の実態、ボランティア元年、ルミナリエなど、非常に多くの事柄が関連していて、そのどれもが神戸の今を知るキーワードになっていることに気付いてもらうという狙いもあります。

ツアー中、なんの躊躇いもなく震災の情報がでてきたので、本当にツアーに入り込むことができました。ガイド中に時折挟まれるジョークも楽しかったです。

☑ 普段通訳をするにあたっての3つのポイント

通訳のお仕事を間近で見たのは初めてで、メモの取り方、分かり易い日本語、でも意味を崩さない通訳。とても感動しました。普段通訳をするにあたって気を付けていることはなんですか?

残念ながら、通訳は英語が話せれば出来るでしょう、という誤解が昔からあります。今回参加者の皆さんに通訳者のメモをお見せする機会がありました。通訳メモを見て非常に驚かれた参加者もいて、主催者側としては「神戸についても同じくらい驚いてよ!」と思うほどでした(笑)。ですがツアーを通じて通訳者に対する理解が深まれば、通訳者としてこの上ない喜びです。

そうですね。通訳者の方の立ち振る舞いを見て、僕も驚いたうちの一人です(笑)もちろん神戸ツアーも素敵でした。

私の通訳観は三つあります。まず正しく伝えること。間違った情報を伝えてはいけないのは言うまでもありませんが、これは言うは易く行うは難しで、自分の知らない分野を通訳する場合などは、正しく伝えられているのか不安になります。そこは自分で勉強して知識で補っていくしかありません。よって知的好奇心がある方や、継続的に勉強することに抵抗がない方などは、通訳者に向いているのではないかと思います。

なるほど。好奇心旺盛な方、日々努力できる方が通訳者に向いているのですね。

二つ目は通訳者の裁量で勝手に情報を足し引きしないことです。先ほど知識を付けることの重要性について書きましたが、いくら知識があるからといっても、発話者が言ってもいないことを通訳者の知識で訳してはいけないのです。自分が知らない分野ですとそのようなことは無いかもしれませんが、得意分野ができるとつい口が滑ってしまうこともあるようです。通訳勉強会でもこの点には注意するよう、メンバーに言っています。

情報を足し引きしないことですね。勉強になります。

三つ目は言葉と意味の違いを理解することです。これは去年TEDxKobeで脱言語化という通訳学の概念を紹介した時にもお話したのですが、通訳においては言葉を別言語に変換すればそのまま意味になるのではなく、発された言葉はつまり何を意味するのか?とワンクッション置いて考える必要があると思います。特に同時通訳においては、その意味を瞬時に掴み、訳す必要があるので大変です。この意味を考えるというのは通訳だけの話ではなく、コミュニケーション一般にもあてはまるのではないでしょうか。

今回の神戸ツアーでは、通訳された尾崎さん、Yukiさんの通訳を間近で見させていただきました。瞬時に的確な日本語に通訳されていたことに驚きましたが、その前提には「その意味を瞬時に掴む」処理がなされていたんですね。改めて感動しました。引き続き3/3インタビューよろしくお願いいたします。

この記事を書いた著者

Tetsuya
Tetsuya
Cotoba PRESS編集長のTetsuyaです。
普段はイングリッシュスクールの運営・直接の指導とCotoba PRESSの編集に携わっています。
温かい言葉は、人と世界をつなぐことができると思っています。
言葉を通してみんながニコニコできる世の中になればいいなと思っています。

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